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『サラーム・パックス-バグダッドからの日記』

サラーム・パックス-バグダッドからの日記』という本を読みました。「サラーム・パックス」とは作者のハンドルネームで、アラビア語とラテン語の「平和」という単語を合わせたものです。この本はサラームがイラク戦争前に始めたBlogの内容を翻訳したもので、この本には戦争前後の2002年9月から2003年6月までの内容が掲載されています。このBlog(「Where is Raed?」)は今も更新され続けているので、興味があればのぞいてみてはどうでしょうか。ちなみに英語で書かれています。

Where is Raed?このBlog自体は、去年のBlogブームの中で代表的なBlog(特にWarBlog)として取り上げられることも多いので知っていたのですが、こうやって本として読んでみると話題になるのも納得というような印象を受けました。とにかく、Blogとしての文章が非常に洗練されていて(あくまでBlogとしてはですが)、イラクの現実をユーモアと皮肉を織り交ぜて巧みに描写しています。

彼自身は人生の半分を海外で暮らしていて、両親もイラク人の中ではかなりのインテリのようです。欧米系のニュースもよく見たり聞いたりしています。そんな彼だからこそ、イラクの風習やイラク人の考え方を分かりやすく私たちに説明することができるのでしょう。彼は欧米のニュースが報じるイラクの姿と現実の姿の違いを厳しく指摘しています。

サラーム・パックス―バグダッドからの日記彼はBlogの中でアメリカの姿勢を非難しています。フセイン政権の政権交代を望まないイラク人はいない。しかし、そのために自分たちにミサイルが飛んでくるのを望む人間なんていない。どうか、解放のための戦争なんて言葉は使わないでくれ、と。一方で「戦後」には、占領する側とされる側の両者で足の引っ張り合いをしていても誰も幸せになれないと断じています。

戦争直後に彼がネットに接続できない期間を除いて、このようなBlogが規制の目をくぐり抜けて生き残ることの難しさを考えると、彼の存在自体を疑問視する人も出たのは納得できます。しかし、バグダッドに住み、自分たちと同じように物を考え、言葉を発するサラームのような人間を明瞭にとらえられること出来たという点で、このBlogは非常に有益なものだったでしょう。今年1冊目ですが、とてもいい本を読めたと思います。

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【お知らせ】 このブログは更新を停止し、メインブログをAnatommyに移転しました。

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