« 月の土地(1,200坪)は2,700円出せば買える | メイン | 有名メールマガジン「百式」が本になりました »
Yoshi『Deep Love 第1部 アユの物語』
最近Yoshi作の『Deep Love 第1部 アユの物語』という本を読みました。この作品はもともとは携帯サイトで連載されていた小説で、女子高生から絶大な支持を得たらしいです。・・・というか、私はこのYoshiさんという人の存在をday after tomorrowの最新曲「Dear Friends」で、ボーカルのmisonoさんと詞を共作したというニュースで初めて知りました。
読んでみて最初の感想は「なるほどこれが携帯小説か」というものです。携帯電話の画面に収まって、かつ読み続けてもらうことを考えたのでしょう。表現が一直線で文学的修辞のようなものはほとんどありません。また、次から次へと話が目まぐるしく展開するので、一気に読もうとするとかなり疲れます。読みながらこういう構成の仕方は何かに似ているなと思っていたのですが、ある文章でそれが何かに気付きました。
「~あまりの悲しみが私の心を遮断したのよ。そして抵抗をやめ、時代に流されるままに生きたわ。・・・そう、あの人に出会うまでは」(同書40ページから引用) こんな話し方をするおばあちゃんは実際にはいないと思うのですが、それは置いておいて、「あの人って誰なんだろう?」って読んでいる側に疑問と興味を抱かせようとする意図をもった書き方です。こういう手法にしばしば出くわすのがTVで、その構成をしているのは放送作家です。
以前、ガチンコなどで有名な放送作家のおちまさとさんが雑誌で、番組構成にクイズの手法を利用しているという話をされていました。つまり、番組最初やCM前などに「この後どうなるんだろう」と疑問を抱かせるような前振り(問い)を投げかけておいて、視聴者に答えを知りたいを思わせるそうです。そうすれば、視聴者もチャンネルを変えずにその番組を見続けるという構図です。
この小説でも、そのような手法を利用したり、毎回山場を持ってきて、読者の関心をつなぎ止めてきたのだと思います。だからこそ、サイトのアクセス数が2000万件を越え、シリーズで何十万部という大ヒットになったのでしょう。小説として読む価値はあまりないとは思いますが、こういうのが現代的な小説なのかなと感じさせられました。
-----
【お知らせ】 このブログは更新を停止し、メインブログをAnatommyに移転しました。
