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2004年10月に読んだ本
今月読んだ本の紹介です。今月は合計19冊も読んだんですね。10月3日の「雑誌を整理する」に書いたように、今月から雑誌を重点的にやっつけるようにしていたんですが、読む活字の量が増えた結果、本を読むスピードもあがっていたようですね。予想外の効果でした。
- 梅森浩一 『「クビ!」論』 朝日文庫 2004年
- 中野独人 『電車男』 新潮社 2004年
- 司馬遼太郎 『義経(下)』 文藝春秋社 2004年
- 司馬遼太郎 『義経(上)』 文藝春秋社 2004年
- 村上春樹 『風の歌を聴け』 講談社 2004年
- 村上春樹 『村上ラヂオ』 新潮社 2003年
- 城繁幸 『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』 光文社 2004年
- 宮部みゆき 『かまいたち』 新潮社 1996年
- 宮城谷昌光 『春秋の色』 講談社 1997年
- 村上春樹 『神の子どもたちはみな踊る』 新潮社 2002年
- 群ようこ 『人生勉強』 幻冬舎 1998年
- 村山由佳 『星々の舟』 文藝春秋社 2003年
- ティム・オブライエン 『世界のすべての七月』 文藝春秋社 2004年
- 村上龍 『ヒュウガ・ウイルス』 幻冬舎 1998年
- ノーム・チョムスキー 『9・11』 文藝春秋社 2002年
- 石田衣良 『エンジェル』 集英社 2002年
- 重松清 『口笛吹いて』 文藝春秋社 2004年
- 司馬遼太郎 『城をとる話』 光文社 2002年
- 村上龍 『はじめての夜 二度目の夜 最後の夜』 集英社 2002年
今月取り上げてみたいのは『「クビ!」論』と『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』です。前者の著者は外資系金融会社の人事部で1,000人以上にクビの宣告をしてきた人物で、後者は富士通で成果主義が導入された際に人事部に在籍していた人物です。前者では外資系企業の人事制度がいかに合理的なものであるかを紹介している一方で、後者は成果主義が導入されてからの現場の混乱と制度のゆがみを描き出しています。
富士通の成果主義の取り組みは、日本企業の中でも非常に先進的なもので、それに追随する企業も多数存在しました。しかし、富士通が成果主義の弾力化を打ち出してからは、ビジネス誌では「日本的経営の見直し」などという見出しが一気に目立つようになっています。追随するのも、元に戻すのも“みんなでそろって”というところが日本らしいですが。
とりあえず上記の2冊を読んで思うのは、どんな企業でも成果が出る人事制度なんて存在しない、ということです。前者の取り上げるハイリスク・ハイリターン型の人事制度は、社員がその価値観に共感しているから出来ることのような感じがします。たいていの人間(特に日本人)はリスク回避型であり、人よりも多く稼ぎたいなどという欲求よりも、安定した生活を保障してもらいたい、という方が強いのであり、そんな価値観を保有している人たちに対して、成果主義を押しつけても誰も幸福にはならないですし、押しつける側の思惑とは違った適用のされ方をするのが落ちです。
実際に働いていると、人事制度というのはいつも天から降りてくるものでしかないような気がします。人間は本来誰かに認められたい、感謝されたいという欲求をもっていると思います。それを引き出すことこそが労働意欲を引き起こすものだと思いますが、現状では誰かから「これが良くて、これが駄目」という価値を押しつけられている印象しかないんですよね。その結果が、目標を単純に越えるか越えないかだけに終わってしまい、それ以上や目標とは離れた別の何かを求める意欲を削いでいるような。優れた人事制度とはボトムアップでしか生まれないのではないでしょうか。私の考えは極端に性善説に偏ってますし、実際万人が納得できるようなものを作るなんて無理だとは思いますが。
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