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田中啓文『異形家の食卓』

異形家の食卓
異形家の食卓
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田中 啓文
集英社 (2003/02)
売り上げランキング: 106,809
おすすめ度の平均: 4


先日、『蹴りたい田中』を紹介した田中啓文さんの作品です。『蹴りたい田中』はギャグ満載で笑わせてくれる作品ですが、こちらもギャグは入っているものの、非常にグロテスクな内容が多く、ラストのギャグも登場人物の異常性を際立たせるための演出として利用しているようです。

カニバリズムや醜悪な生物の描写などが大部分を占めていますが、この作品を読む限りではそのグロテスクさを描くには作者の表現が一本調子過ぎる印象があります。むしろ、私がこの作品で感心していたのは、「オヤジノウミ」や「三人」における記憶の混同や現実と幻影が交じり合い、登場人物が混乱していく場面の描写です。ここの表現の切れだけでも読む価値のある作品だと思います。やはりただのギャグ作家ではないようですね。

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