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外山滋比古『思考の整理学』

思考の整理学
思考の整理学
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外山 滋比古
筑摩書房 (1986/04)
売り上げランキング: 14,150
おすすめ度の平均: 4.75


著者は、人間には“グライダー能力”と“飛行機能力”の2つの能力が備わっていると言います。前者は受動的に知識を得る力、後者は能動的に知識を得る力を指し、両者は一人の人間の中で同居してバランスが取れている必要があるとします。しかしながら、一般的に人は前者の能力ばかりに偏り、後者が不十分なのが多く、学校教育ではそのような人間でも“優秀である”という評価をしてきたと主張しています。

本書では、受動的に得た知識から如何にして能動的な知識の獲得、つまり自説の構築や発見に結び付けるかの手法が描かれています。メモに頼らず出来るだけ記憶をすることの薦めや、アイデアを寝かせること、自分の意見をとりあえず書き出してみたり話してみたりすることなどが挙げられていますが、個人的に面白いと思ったのは「エディターシップ」という概念です。

作家の短編集などでは、一つ一つの短編がそれほど面白くなくても、編纂してみると素晴らしい作品になることがあります。ここでは如何に独創的であるか、ではなく編集という配列能力が価値を決定します。これは知の分野にも当てはまることです。本書の中にある詩人の言葉として「詩とは、もっともよき語をもっともよき順序に置いたものである」というのが引用されています。独創性ばかりが重要視されていますが、こうした“知のエディターシップ”にも目を向けていく必要がありますよね。

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