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熊谷達也『邂逅の森』
2006年01月09日
熊谷 達也
文藝春秋 (2004/01/28)
売り上げランキング: 53,139
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第131回直木賞受賞作。大正から昭和にかけて東北地方で旅マタギ(狩猟を生業とする集団)の松橋富治という人物を主人公に、山の神を尊重するマタギの文化や生活、巨大熊との渡り合い、昭和初期の炭坑夫の社会風景などを描いた作品です。著者はこの地の民俗学に精通しており、会話文はほぼ全て東北の方言で書かれているのですが、読みにくいようなことは一切なく、むしろ方言の音の美しさに魅了されてしまいます。
命を危険に晒しながら狩猟生活に身を置く男性の強さ、自分の子供のために自己を犠牲にして耐え抜く女性の強さ、そして人間の前に大きな存在として成立している自然の強さに読み進めながら幾たびも大きな感動を覚える作品です。この一冊から得るものは非常に多く、小説を読むことの意義が凝縮されたような秀作ですね。
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