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藤原正彦『祖国とは国語』
2006年03月23日
『若き数学者のアメリカ』などの著書で有名な藤原正彦氏のエッセイ集。教育論を展開する「国語教育絶対論」、家族を中心とした藤原家の生活に焦点を当てた「いじわるにも程がある」、著者の出生地を訪れた「満州再訪記」の大きく3部構成になっています。「国語教育絶対論」では知的活動の基礎としての国語や祖国愛(パトリオティズム)の重要性を指摘しており、ほぼ同じ内容を取り上げて最近話題になっている『国家の品格』よりも論理構成が適切でこちらの方が説得力があります。
「いじわるにも程がある」では、子供達の発見を奨励し、科学的思考を育てようとする藤原家の教育方針と、その方針の下で育った子供達からの鋭い突っ込みで家庭内の権威を保てない著者の日常がユーモラスに描かれています。「満州再訪記」は著者得意の異国での体験記ですが、現地の人々との交流の描写も少なく、著者とその家族の中だけで話が完結している部分が多く、異国体験記という題材を生かし切ってない印象を受けました。全体の構成という点ではあまりうまくいっていないとは思いますが、一つ一つのエッセイは間違いなく面白いので、『国家の品格』を読むならばこちらをお勧めしたいですね。
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