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宮部みゆき『模倣犯』
2006年05月04日
文庫本で全5巻、合計約2,500ページに及ぶ長編小説。公園のゴミ箱から発見された女性の手首をきっかけとした殺人事件を描いた作品で、容疑者や被害者の家族、警察官や事件を追うマスコミ関係者など事件の関係者それぞれの姿を同時進行で描いています。過去の一家殺人事件で家族が殺されたのは自分に責任があると自責の念にかられる第一発見者の少年、孫娘を失いながらも気丈に犯人に立ち向かう老人、ルポルタージュを書くチャンスにめぐり合いながら様々な軋轢を経験する女性ルポライター、そして事件を操る「ピース」という青年。それぞれの人間らしさ、それぞれの立場での事件との向き合い方の違いが巧みに表現されており、宮部みゆきさんの作品としては特に人物の描写に優れた作品という印象を受けます。結末は少々迫力に欠ける印象もありますが、非常に濃密な作品で、宮部みゆきさんの小説は十数冊読んでいますが、それらの過去の作品と比べても満足度は極めて高いですね。
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